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<山元町で東日本大震災追悼行事 ⑧ 復興へは遠い道のり>

双葉町で。 町に数台しかないタクシーは、すべて予約済みで利用できませんでした。 仕方がない。 帰りの電車の時間まで町の中を歩くことにしました。 駅から海岸までの間には国道6号線が通っていますが、津波は国道まで到達し、その先は駅を含めて津波の被害はありませんでした。地震で損壊した駅舎は建て直して立派になりましたが、駅前の商店やガソリンスタンドなど、地震の被害はひどく、復興へは遠い道のりで悲しくなりま...

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<山元町の東日本大震災追悼行事 ⑦ 特急停車の無人駅>

新地駅から相馬駅まで鈍行列車で。 そこで特急列車に乗り換えて双葉駅へ。 特急券はないままで乗り換えましたが、双葉駅に着くまで車掌さんの検札はありませんでした。 新地から双葉までは、乗り換えの待ち時間を含めて1時間7分でした。※ 品川⇔仙台間が全線復旧し開通したと言っても、双葉駅は一車線でした。双葉駅の改札口には駅員が誰もいませんでした。 特急料金を支払わないといけません。 精算所はどこにあるのかな。 ...

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<山元町で東日本大震災追悼行事 ⑥ 新地駅の切符売場で>

3.11に山元町の町民による追悼行事に参加した翌朝、チェロはホテルに預けて、東京電力福島第一原発がある双葉町へ行きました。 以前、釜石市と浪江町でタクシー運転手さんと相談し、1万円ぐらいで町内各所の案内をお願いしたことがありました。地元の運転手さんですから、被災してから復興途上にある状況をよくご存じで、運転しながらガイド役になってくれ、説明付きで町内の各所を訪れることができて、有意義な体験でした。ネッ...

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<山元町で東日本大震災追悼行事 ⑤ 薄れたコロナ意識>

3月11日の山元町は、昼間の暖かさから一転して、夜になると急激に気温が下がりました。 午前中、「みんなのとしょかん」で練習した時は、暖房は必要なく、窓を開けて練習したぐらいの暖かさでしたが。小生が住む札幌の冬、マイナス気温の中を散歩するのは当たり前になっていて、気温が0℃の日は暖かく感じるのですが、この日の山元町の夜は11℃。 それがとても寒く感じたのは、昼間がとても暖かく、寒暖の差が大きかったからなの...

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<山元町で東日本大震災追悼行事 ➃ ローソクは千葉の葬儀屋から>

浜へ行き、堤防の上で鎮魂のチェロを弾いたあと、夜の法要が行われる場所に皆で移動しました。 その場所は、「じいたんドーム」や「みんなのとしょかん」などがある広場です。地面に置かれた数百本の竹筒にはローソクが立てられ、17時になったら点灯することになっていました。 この作業は町民の頑張りだけではなく、「国際学生ボランティアIVUSA」の働きがあったからこそだと思います。「IVUSA」は、1993年に設立されたNPO団体...

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は484回を数え、震災後、東北には19回訪れ、被災地でのコンサートは101回に及ぶ。
(2023年3月末現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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