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<お帰りなさい! ニコロ!>

体調悪化で数回の手術を受け、3年以上も入院生活を続けていたニコロが健康を回復し、先日 (1月11日) 我が家に帰ってきました。 これ、1700年代のナポリの名工、ニコロ・ガリアノが制作した小生の愛器のことです。

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東京生まれで東京育ちの小生は、22歳の時にプロデビューして以来、東京を中心に演奏活動を続けていましたが、1974年、その当時、札幌交響楽団の常任指揮者だったペーター・シュバルツさんと、札響事務局長から招聘を受け、江戸っ子から道産子に変身しました。

札幌に住むようになって6年目、1980年のある日、小生は不思議な夢をみました。

チェロの状態が不調になった時の調整や、弓やケースを購入したい時に相談に乗ってくれ、お付き合いが続いていた東京の楽器屋さんの社長から、夢の中で電話があったのです。

《ロンドンのオークションに行って、いいチェロを買ってきましたよ。 弾いてみませんか。》

小生は当時、ミラノの名工、タラスコーニ制作のチェロを使っていましたが、音の鳴り具合、ホールでの響き具合、音色などそのチェロが持つ能力に不満を持つようになり、もう一段格上のチェロがほしいと思うようになっていました。

不思議な夢から覚めた小生は、翌朝、社長に電話をかけてみると。

《今、店にいいチェロが二つありますよ。 二つともガリアノ一族のもので、値段は500万と850万。 850万の方はニコロ・ガリアノでこっちの方がずっといいです。》

それまで使っていたタラスコーニ作のチェロと、もう一つ持っていたチェロを下取りしてもらい、その差額をローン返済し、ニコロ・ガリアノは小生の生涯の友となりました。

つづく。

        東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。

(2012年12月10日)

【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順

北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660

ご支援、よろしくお願い申し上げます。


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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は486回を数え、震災後、東北には19回訪れ、被災地でのコンサートは101回に及ぶ。
(2023年4月末現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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