< ”私たちの情熱だけでは暴走と言われそう” 悩むお坊さん>
- 2020/04/04
- 18:29
先月、「福島の子どもたちを三重へプロジェクト 実行委員会」へ「じいたん子ども基金」から¥30,000を支援させて頂いたところ、委員長の大橋宏雄さんと、会計担当の鈴木勘吾さんからお便りを頂きました。
三重県全市のお坊さんが中心になって結成されたこのプロジェクトのメンバーは礼儀正しく、親切な方々ばかりで、大橋さんも鈴木さんも勿論お坊さんです。
大橋宏雄さんからのお手紙の1部をご紹介させていただきます。
《・・・未曾有の災害や、放射能汚染を引き起こした東日本大震災、福島第一原発の事故から10年が経ちました。 薄れゆく私たちの記憶とは反対に、福島で暮らす人たちの不安や憤りは、年を追うごとに強くなっているように思います。 特に小さな子を持つ方々は「被曝」に対する考え方の違いから、家族や職場・友人との関係が分断され、対立構造に疲弊しながら必死に子どもたちを守ろうとしています。》
《暑い夏のひととき、放射能を気にせず三重で過ごし、甲状腺検査をすることで、少しでも、福島を生きる人の力になれたらと思い、保養事業を計画しております。》
《私たちは、「震災の年に生まれたこどもが成人するまで」をスローガンに、このプロジェクトを継続していきます。・・・》
福島の子どもたちの保養合宿でチェロを弾きました。 三重県桑名市桑名別院のお座敷で。
2018年8月18日
鈴木勘吾さんからも一言メッセージを頂きました。
《オリンピックが来年に延期になり、今年は福島の子どもたちに会えるのかな? 不安になってきました。 参加者・保護者の安全、安心が担保されなければ、私たちの情熱だけでは暴走と言われそうで悩んでおります。》
☆☆ 大橋宏雄さんのお手紙にあります、家族や職場、友人との関係が分断され・・は、小生も、福島市内にお住まいの方はもちろん、県内の伊達市霊山町小国、田村市都路町などでも、滞在中、そこにお住まいの方々がお話を聞かせてくださいました。
子どもたちの健康と将来を考え、経済的な困難を乗り越えてでも避難すべきか、避難ができない年老いた両親と共に留まり、先祖代々の土地を守りながら、放射能汚染と闘うべきかで、考え方が合わないと家族の分断が起きてしまいます。
補償問題でも、行政によって提示された補償内容が公平性に欠けていると、それが原因で住民同士が気まずくなり分断が起きてしまいます。
国会には、福島県民によって選出された議員がおられるのですから、与党野党に関係なくこうした実情を訴え、それが国に反映されていかなければならないと思うのですが、その点、どうなのか疑問に思わざるを得ません。
風化が進み、原発事故の記憶が薄れていく中で、福島を生きる人たちのために、労を執ることを惜しまず保養事業を続けておられる三重プロジェクトの皆さまに敬意を表し、今後も可能な限りの支援を続けさせて頂きたいと思います。
大橋さん、鈴木さん、いつもご丁寧なお手紙をありがとうございます。
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東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。
(2012年12月10日)
【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順
北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660