新型コロナウイルス感染の拡大傾向が続き、収まる気配が感じられないため、3月6日に開催予定だった「東日本大震災10年」のチャリティコンサート<464>の延期を発表したあと、何とも言いようのない暗い気持ちになってしまいました。
マネージャーの能智さんは印刷屋さんに手配をしたり、チラシ、チケットができるとプレイガイドへ持って行ったり、宣伝のチラシまきもやって下さいました。 そのチラシをご覧になった方々は、コンサートまで2ヵ月半以上もあるのに、プレイガイドでチケットをお買い求めくださいました。
延期を決断して能智さんに電話をした時、彼は気持ちよく了解し、チケットをお求めになった方、お一人おひとりに連絡してくださいました。 プレイガイドでチケットをお求めになられた方は払い戻しに行かなければなりません。
やむを得ない判断とは言え、多くの方々にご迷惑をおかけし、申し訳ないという気持ちが強く、落ち込むばかりでした。 ただ、高齢の小生が、万が一にも感染した時のことを心配してくれていた、共演者のピアニスト・はっちゃん(鳥居はゆきさん)や、友らが皆一様に延期の判断を理解し、歓迎してくれたのが救いでした。
そんな時、朗報が飛び込んできました。
「東日本大震災10年」のコンサートが延期になったことを知った、北海道演劇財団理事長の斎藤歩さんは、3月11日は札幌市中央区にある演劇公演のための小劇場「シアターZOO」が空いている・・ 使えるぞ。 無観客でコンサートをやったらどうだ・・と。 録音・撮影・編集はオレがやる・・ 動画を全国に配信しよう、一ヵ月間ぐらい・・ 寄付も募ろう、「じいたん子ども基金」に。
歩さんは、北海道演劇財団理事長ですが、一流の舞台役者であり、映画・テレビ俳優でもあります。 そればかりではありません。 演出家であり芝居の台本も書く脚本家、また作曲もします。 何でも出来ちゃう天才芸術家なのです。
まさにチャップリンのような人なのです。 チャップリンの再来だ! 東洋のチャップリンだ!
彼は自作の芝居「春の夜想曲・菖蒲池の団欒」と「秋のソナチネ」に小生を役者として抜擢してくれ、「ペールギュント」の舞台にも立たせてくれました。 公演は北海道内だけでなく、東京はもちろん沖縄にも行きました。 韓国公演も一緒でした。 彼とはどのぐらい共演しただろう・・ 何十回か・・ 芝居が終わると必ず一緒に飲み屋に行き杯を酌み交わしました。 行かない日は一度もありませんでした。 彼とは親子ほど年が離れているのに、いつしか、まるで同期の桜のような間柄になっていたのです。
”友は友を知る!” 彼は小生が大事なコンサートを延期せざるを得ない状況におかれ、小生の辛い心の内を察してくれたのです。 友は宝! ありがとう、歩さん! いい仕事をして全国配信しような。
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東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。
(2012年12月10日)
【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順
北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660