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<汚染土 中間貯蔵施設へ そのⅠ>

本日から30日までの4日間、【汚染土 中間貯蔵施設へ】を連載ブログで更新致します。 どうぞよろしくお願い致します。

東京電力福島第一原発事故に伴い、除染作業で出た汚染土や草木などが、大熊町と双葉町の中間貯蔵施設へ福島県内各地から搬入されています。

小生が、汚染土などの放射能汚染物を詰めたフレコンバッグに初めて接したのは、2015年10月、福島市の中心部でした。

福島駅東口から国道4号線を北へ向かって車で約10分、信夫山の手前に原発に近い浪江町から避難してこられた人たちの仮設住宅がありました。 その出入り口付近に山と積まれたフレコンバッグは緑色でした。

※ 浪江町住民の仮設住宅。 下の写真は2018年11月の撮影です。 緑色の袋はどこかへ移されていました。 バックの山は信夫山。

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《フレコンバッグはすべて黒なのです。 仮設住民の訴えで緑に変えたのです。 ”毎日毎日、放射能汚染物が入った真っ黒な山のようなものと目を突き合わせていると、気が変になりそう・・・ せめて緑色に変えて!” 》 

袋の中の放射能汚染物は、セシウムの量が半分になるまで30年かかるそう。 ご案内くださった「認定NPO法人 ふくしま30年プロジェクト」のメンバーのお話です。

フレコンバッグは安価な中国製。 耐久年数は3年。 しかし、原発事故から4年が経っている。 よく見ると袋が破れて、破れた所から汚染した草の芽が飛び出していました。 その後、二重構造の丈夫なフレコンバッグに変わりましたが、袋の値段は一袋5千円。 ん? そんなに高いの?  これは2017年11月に浪江町を訪れた時、タクシー運転手さんから聞きました。 約2万人が住んでいた浪江町ですが、原発事故後、避難指示が出て町には殆ど人がいない状態で、町にはタクシーが一台、運転手さんも一人しかいませんでした。 

※ 福島⇔南相馬は高速バスを利用し、原ノ町駅(南相馬)⇔浪江駅はJR常磐線を利用、乗客は往路3人、復路は小生一人、貸し切り状態でした。

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※ 浪江駅。 当時、浪江⇔富岡間は復旧しておらず、7年間使っていない線路は錆びていました。

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富岡駅の近くで。 フレコンバッグが5段に積み重ねてありました。   撮影:2018年3月  

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※ 富岡駅では線路を外してシートで包んでありました。
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話は戻ります。 緑のフレコンバッグが積まれた、浪江町住民の仮設住宅の背後には税務署があり、隣は地方検察庁、その隣はハローワーク。 

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※ その三つの建物の前の空いた土地にもフレコンバッグの山が。 山と積まれた上には緑のビニールシートがかぶせてあり、その下はフレコンバッグが積まれているのだと思います。 シートに隠れて袋の色はわかりませんでしたが多分黒なのでしょう。

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そのすぐ近くには信夫山の登山口がありました。 少し登ると子どもの遊び場があり、道路の向かい側には、またもやフレコンバッグの仮置き場がありました。 子どもの遊び場と、目と鼻の先に大量の放射能汚染物。 市のお役人さん、何ということをするのでしょうか。

※ 写真の左側に登山道があり、道路をはさんでフレコンバッグが大量に置かれていました。

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※ 緑色のフレコンバッグもありました。 浪江町住民の仮設住宅からここまでは近いです。 仮設住宅の脇に置いてあったものを、ここへ移したのかもしれません。

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人口約28万人の都市、福島市の中心部にフレコンバッグの山。 もし北海道の泊原発で事故が起きたら、札幌の中島公園や円山公園内がフレコンバッグの山になるんだろうな・・と思いました。 その後、福島県内の各地を訪れると、あちらの町にも、こちらの町にもフレコンバッグが積まれていて恐ろしくなりました。

明日に続く

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は486回を数え、震災後、東北には19回訪れ、被災地でのコンサートは101回に及ぶ。
(2023年4月末現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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