<汚染土 中間貯蔵施設へ そのⅡ>
- 2021/10/28
- 21:31
昨日に続いて「汚染土 中間貯蔵施設へ」第2弾です。
福島市のお隣、伊達市の霊山小国地区は人口1200~1300人ぐらいの自然豊かな集落です。 原発から北西に約55~60km。 原発事故により風に乗って運ばれた放射能、地形の関係もあるのでしょう。 放射線量が局地的に高いホットスポットとなってしまいました。
米も野菜も2年間作れず、生活用水だった井戸水も、沢の水も汚染し、慎ましくも豊かな暮らしは汚されてしまいました。 現在は水道がひけましたが、集落の人たちは大変なご苦労をなさいました。
「放射能からきれいな小国を取り戻す会」が主催してくださったコンサートはこれまでに2回行い、小国小学校にも数回訪れてチェロを弾きました。 小国小の校舎は大きくて立派なのに、全校児童は20数名か、年度によっては20名以下の年度もありました。
「放射能からきれいな小国を取り戻す会」の事務局長は菅野昌信さん。 彼は一級建築士で、福島市内に事務所をかまえておられます。 小国でのコンサートで初めてお会いして以来、親密な間柄になり、小生が小国を訪れると、いつもご自宅にご招待下さり、胚を酌み交わす仲になりました。
※ 小国小学校で菅野さんと。 後ろは校庭。 地中にはフレコンバッグが埋められていました。
※ 道路脇にもフレコンバッグの仮置き場が。 フェンスで道路から見えないようにしてあります。 「毎日、ここを通る度に気が重くなるんですよね。 早く中間貯蔵施設ができてほしいのですが・・」と、菅野さん。
※ 仮置き場のフェンスには、伊達市役所の放射能対策課の職員が、毎日、空間放射線量を計測した結果を掲示しています。
※ 新聞やテレビが天気予報を報じるように、空間放射線量も毎日発表されていました。 ここはバス停ですが、放射線量が掲示されていました。
※ ここにも仮置き場が。 小さな集落でもあちこちに。 住民がお気の毒でなりません。
※ 以下は「放射能からきれいな小国を取り戻す会」が発行した冊子、「会員の声 記録集ー99人の想いー」より引用させていただきます。
放射能汚染した小国地区は、413世帯(国勢調査、2010年10月)のうち、90世帯が自主的な避難を促す「特定避難勧奨地点」に指定されました。 この制度は、事故発生後、1年間の積算放射線量が、20ミリシーベルトを超えると推定される地点を対象に適応される制度です。
指定された世帯には賠償金が支払われ、免税などの優遇措置が講じられますが、隣り合った世帯が指定に漏れるケースもあり、両者の間に大きな経済的格差が生じ、人間関係がぎくしゃくして住民の分断が起きてしまいました。
明日に続く。