「公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟」が行なっている「世界寺小屋運動」についてご紹介させていただきます。
1990年の国連「国際識字年」に先駆けて、1989年に始まった「ユネスコ世界寺小屋運動」。 「寺小屋運動」とは、途上国の成人や中途退学した子どもなど、教育の機会を得にくい人々に行なう教育支援です。 ユネスコの現在の支援国はアフガニスタン、カンボジア、ネパール、ミャンマーの4ヵ国ですが、活動を始めてからの31年間に44ヵ国1地域で活動し、約134万人の人々に学びの機会を届けることができたそうです。
「ユネスコ協会連盟2020・4/1ー2021・3/31の活動レポート」に目を通しますと、上記の4ヵ国の成人識字率こそ高い国もありますが、非識字者を見ると各国で数百万人に上り、その現状に驚かされます。
2020年度・カンボジアへの支援。
コロナ禍のもとで、これまで以上に重要な役割を果たした。 学校の休校期間は約29週、観光業の盛んなシェムリアップ州では経済的打撃も甚大だった。 しかし、寺小屋が機能することで、子どもたちは学びを取り戻し、家計が苦しくなった人々も生活を維持することができた。 感染拡大期には、隔離中の人が滞在する施設としても役立てられた。
☆☆ 2020年度事業成果
ネパールへの支援。
ネパール南部のルンビニで、成人女性のための中級識字クラスを4ヵ月間実施。 12地域で150クラスが行われ、2999人が卒業。 基礎的なネパール語や公衆衛生の知識を身につける。 クラスは新型コロナウイルスの感染拡大により、約5ヵ月間の中断をはさんだが、再開後はクラスを少人数制とし、学習者のマスク着用や消毒液の設置など感染防止策を講じた。
☆☆ 2020年度の事業成果
アフガニスタンへの支援。
アフガニスタンで17軒目となるバグラミ寺小屋が完成した。 初の2階建ての寺小屋。 10月には開所式典が行われ、政府関係者や地域の人々などが参加した。 寺小屋では、地域の人々による識字クラスや、算数や英語の補修クラスが始まっている。 また、政府の地方事務所としての機能も担っている。
☆☆ 2020年度の事業成果
ミャンマーへの支援。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、初のオンラインによる教員研修会を行なう。 中途退学児童生徒のための継続教育プロジェクトを実施。 中部バゴール地域で小学校ないし中学校を退学して働く10~17歳の子どもたちを対象に、識字、読解力促進、算数、ライフスキル教育を提供。
☆☆ 2020年度の事業成果
☆☆ 読み書き計算の教育がおろそかになっていることに驚きました。 これらの国々の為政者たちは、一体何をしているんだろう。 読み書き能力がなければ、選挙権が与えられても候補者の名前すら書けないではないか。 10年前にカンボジアを訪れた知人のお話によれば、電気がなく、水が不衛生な地域もあり、ユネスコが電気・井戸設置などの支援を行なったそうです。
寺小屋で学び、学力を身につけて卒業していく。 その卒業生は寺小屋の先生になり、次の世代の子どもたちを育てていく。
教育を受けられない→読み書き計算ができない→安定した職業につけない→収入が少ない・・貧困のサイクルです。 寺小屋運動が負の連鎖を断ち切り、地域の発展に繋がることを心から祈ります。
【世界寺小屋運動 すべての人が教育を受けられるように・・日本ユネスコ協会連盟の寺小屋運動に大拍手!】
※ このブログは、「公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟」発行の、「2020/4・1~2021/3・31 ANNUAR REPORT 2020年度 活動レポート」から引用させていただきました。