家を出て5日目。 宿泊したJR常磐線 新地駅前の「ホテルグラード」の周囲には何もありません。
震災前は駅の海側には集落があり、賑わっていたそう。 地震と津波の被害で、今は海側にも山側にも何もない只の空き地になってしまいました。
原発事故で帰還困難区域に指定され、未だに解除されない地域も。 他所に避難して故郷に帰ることが出来ない多くの人たち。 それなのに東日本大震災の復興を世界にアピールするんだ、と仰せられた政治屋さんもおられます。
「ホテルグラード」に宿泊したのは初めてでした。 枕の硬さや高さが小生の好みに合い、毛布も厚手で気に入り ぐっすり眠ることができました。 スッキリした朝。
この日は14:00から福島県相馬郡原ノ町カトリック教会の礼拝堂で大震災<480>が行われる日で、朝9:30に友、菊地慎一郎さんが迎えに来てくださいました。 午前中、練習するために、山元町のお寺の一室を使えるように頼んでおいてくださったのです。
ホテルは福島県、山元町のお寺、「普門寺」は宮城県。 午後のコンサート、原ノ町カトリック教会は福島県。 県をまたいで行ったり来たりの1日です。
菊地さんは小生の10歳下で、建物の内装業の職人さん、ペンキ屋さんでもあります。 小生とは全く違う世界にいた人なのに、不器用な小生が練習を必要としていることを理解している人です。 午前中は「普門寺」で好きなだけ練習してくださいって。 友は有難きかな。
「普門寺」から500m行くと浜に出ます。 山元町民633人が犠牲になった浜。 2013年、初訪問した時チェロを弾いた浜です。
2人は練習前にその浜へ行ってみました。
※ 堤防に上がる階段は10年前のままでした。
※ 堤防の上にいるのは菊地さん。 海を見て何を思う・・・
※ 2013年8月、堤防の上で。
※ 夕闇迫る頃、津波で破壊された堤防のコンクリートブロックを椅子の代わりにして、犠牲になった方々の御霊に、「鳥の歌」、「アヴェマリア」、「G線上のアリア」など、追悼のチェロを弾きました。
※ その場所にはコンクリートブロックなどの瓦礫類の山は なくなっていました。
※ 堤防の上。
つづく。
東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。
(2012年12月10日)
【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順
北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660