全日程が終了し、菊地慎一郎さんの車で仙台空港へ向かいました。 山元町から仙台空港までは高速道路を利用して約30~40分。 搭乗便は札幌行、19:15発、AIR-DO111便。
今回の旅、出発前に不快なことがありました。 チェロの機内持ち込みの件で。 航空券購入時、電話に出たJALの職員にチェロケースの長さ(高さ)を聞かれました。 150cmと言うと130cm以上は機内に持ち込めません・・と言われました。 何十年も前から何度も何度も150cmで持ち込みができたのに。
規則が変わったんですか? ・・規則はありません・・だとさ。 じゃ、いいですと言って、小生はAIR-DOにしたのです。 後日、念のためにAIR-DOのカウンターで長さを測ってもらったら130cmでした。(笑)
飛行は快適でした。 客室乗務員のお姉さまが勧めてくださったホタテスープが美味かった。
新千歳空港に着陸し、機内から到着ロビーに向かって歩き出すと、突然息苦しくなりました。 疲れ方が半端じゃないな。 飛行機の座席は2列目(1列目は非常口があり空席)でしたから、機外に出たのは最初の方でした。 でも到着ロビーに着いたのはビリでした。 苦しい。 もう歩けない・・ 心臓クン、酷使してすまなかった。 耐えかねて心房から不規則な電気を発したんだね。 椅子に座り、じっとして回復するのを待ちました。
休んでいると、旅でのコンサートの事が頭に浮かんできました。 ピアニスト、荒井玲奈さんとのアンサンブルはよくなかった。 一昨年の時はとてもよかったのに。 二日目のリハーサルで小生は雷を落としました。
”きのうから何をやってんだ!” やればできることをやらないから怒ったのです。
小生もミスが多かった。 言い訳は無し。 繊細な神経、メンタル部分の影響が大きい生演奏。 小生の精神面の弱さが出てしまいました。
自らの採点では土浦めぐみ教会での演奏は、かろうじて及第点。 他は全部落第点。 新潟県浦佐認定こども園も、原ノ町カトリック教会、山元町ふるさとおもだか館も演奏はよくなかった。
でも。
めぐみ教会で目を閉じて「G線上のアリア」を弾き、終わって客席を見たら最前列の若い女性2人は涙を拭っていました。 次の「アリオーソ」を弾き終わったあとも。 感動してくれたんだ。 また、インド人の青年が興奮状態でした。 CDを買ってくれ、握手をしてくれと、手を差し出し、ツーショット写真を撮りたいと。 演奏は自分が思っているよりはよかったのかもしれません。
新千歳空港の到着ロビーで、椅子から立ち上がってノロノロ歩き始めたのは、30分ぐらい経ってからでした。
空港の端から端まで。 ノロノロ歩いてタクシー乗り場に到着。 これで家に帰れる。 もうチェロを持たなくていい。 体の中にあるエネルギーみたいなものは何も残っておらず、自分にあるものをすべて使い切り、最後は抜け殻のようになってしまった旅でした。
<本州へチェロの旅> おわり。
東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。
(2012年12月10日)
【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順
北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660