”さようなら 正樹”
- 2023/02/05
- 18:08
訃報に驚き、信じられませんでした。 札幌交響楽団のステージマネージャー、田中正樹さんの旅立ち。
享年57歳。 最後に会ったのは、2019年10月27日、札幌市内のザ・ルーテルホールでした。 小生のデビュー60周年記念チェロ・リサイタルに駆けつけてくれたのです。 お手伝いをさせてくださいって。 小生がタクシーで会場に着くと、彼は会場の外に出ていて迎えてくれました。
リハーサルを始めようと、家から持ってきた折りたたみ式の譜面台を立てると、
《その譜面台でいいんですか? もっといいのがありますよ。》
”オレにはこのホールにある譜面台は高すぎるんだ。 目線が高くなって弾きにくいんだ。”
《低いのありますよ。》
彼はステージ裏に行き、ガサゴソ探して小生に合う低く調節ができる譜面台を見つけてくれました。
チェロ演奏に使うピアノ椅子。 背もたれがあり、高低の調節ができるピアノ椅子です。 同じように見えても2種類あって高さが1cm弱ぐらい違い、小生には低い方が合います。
準備されていたのは高い方。
”低いヤツないかな。” 《あるはずです。》・・と、会場内のあちこちを探して見つけてくれた小生に合うピアノ椅子。
また、開演前に面会に来る人を、失礼がないように上手にお断りしてくれる。 演奏に集中できるように配慮してくれる。 流石、一流のステージマネージャー。 演奏前に演奏家が望むことを理解している。 おかげで楽譜を読み直し、徐々に集中力を高めることができる。
ありがとう、正樹! 世話になったな。 寂しいよ。 あした、さよならを言いに行くよ。 オレもいつかはそっちへ行く。 行ったらそっちでもコンサートをやるよ。 その時はまた手伝ってくれ。 頼むよ。