普門寺から浜までは、徒歩で10分ぐらいですが、小生は、菊地さんの車にパイプ椅子を積み、後部座席にチェロを抱えて乗りました。
堤防に着くと、すでに車3台が駐車していて、堤防の上には町民が10人ぐらいカメラを持って立っていました。 堤防でチェロを弾くことは、小生が突然言い出したことなのに、小生より早く駆けつけるとは、伝達の早さに驚きました。
堤防の上に立つと、眼前に広がる大海原。 町の人たちが見守る中で演奏の準備を始めました。
10mの堤防ですから、好天でも風があると思っていました。 例え弱風でも、薄っぺらな楽譜は飛ばされてしまうと思い、楽譜は持って行きませんでした。 小生は、鳥の歌、アヴェマリア3曲、白鳥、G線上のアリア、アリオーソ、初恋を、大海原を見ながら暗譜で弾きました。 時には目を閉じ、天へ届け!の思いで。
堤防には10数名の町民のほか、お寺から歩いてきた「国際ボランティア学生協会 IVUSA」の大学生89名も。「IVUSA」の会員は、全国で2千人ぐらいいるそうです。
学生ボランティアたちに囲まれて弾きました。 大海原に目をやりながら、じっと鎮魂のチェロに聴き入る大学生たち。 彼らの胸中は?
ホテルも旅館もない山元町。 お寺2ヵ所を解放して彼らの宿舎にしたお坊さんたち。 彼らは寝袋を持参し、本堂など、お寺の各所で雑魚寝状態で夜を過ごします。 米も持参して自炊し、町の人には迷惑をかけない彼ら。 これほどまでに被災地の人たちに心を寄せる若者たち。 頭が下がります。
つづく。
東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。
(2012年12月10日)
【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順
北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660