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<被災地巡礼チェロの旅 ⑥ 未だ癒えぬ心の傷>

11月4日、旅に出て4日目。 この日は宮城県亘理町で小さなコンサートがありました。 5泊6日4公演の旅。 毎日移動してコンサートを行う、ホテルは毎日変わる、こういう演奏旅行はきついんです。 

宿泊した福島県新地町のホテルから車で15分ぐらい走ると、そこは宮城県山元町。 震災後、支援活動を通じて知り合い、今や親友となった山元町にお住まいの菊地慎一郎さんが、朝、車で迎えに来てくださいました。

亘理町のコンサートは開演が13:00。 誰にも気兼ねすることなく、朝から練習に集中できるように、山元町の仮設集会所、「じいたんドーム」へ連れていってくださったのです。

小生が、演奏旅行中でも練習を欠かさないことを知っている良き友だ。 ありがとう、わが友よ。

「じいたんドーム」から車で10分も走れば、そこは亘理町。

チャリティコンサートの主催は、小生が今年になって支援を始めた「NPO虹色たんぽぽ・みんなの保健室」です。 コンサート会場もそこで。


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広い一軒家の広間は28名の聴衆でいっぱいになりました。 震災で被災し、子どもを亡くしたお母さんは、泣きながらチェロを聴いていました。 身体をゆすって楽しそうなご婦人も。 初老の紳士は笑みを浮かべて聴いている。 音楽って不思議だ。 喜びを与えたり、悲しませたり。

※ 写っていませんが、写真右奥にも聴衆が10数人いました。


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娘さんを津波で亡くしたお母さんは、未だに納骨することができず、就寝時は枕元に遺骨を置いて寝ているそうです。

終演になると、また来てください、次はいつ来てくれるの? と、おっしゃる方々。 小生ごときのチェロを、こんなにも喜んでくださる人たち。 人が喜んでいるのを見ると、嬉しくなる。 またここへ来てチェロを弾こう。


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終演となり、翌日の公演地、大崎市古川へ。 ”重いチェロを持って、じいたんを1人で電車に乗せられない。”  山元町の普門寺住職、坂野文俊さんがこう言い、彼が運転する車に菊地慎一郎さんも同乗し、古川駅前のホテルまで送ってくださいました。 車中、3人の会話はつきることがありませんでした。

つづく。 

     東日本大震災復興支援のために 「じいたん子ども基金」を開設しました。

                   (2012年12月10日)

 【東日本大震災支援 じいたん子ども基金】 代表 土田英順

                                北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は500回を数え、震災後、東北には21回訪れ、被災地でのコンサートは105回に及ぶ。
(2024年1月現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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