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<続編・追悼 小澤さん、安らかに>

表彰式の翌日、会えるかもしれない。 嬉しかった。

しかし、、、

「国際ソロプチミスト 受賞者表彰式」の翌日から「東北被災地巡礼の旅」が決まってしまいました。 福島の田舎の小学校2校の子どもたちから、またチェロ弾きに来てって寄せ書きが送られてきて、行かないわけにはいきませんでした。 早朝、横浜を出て福島県田村市へ向かわなければなりません。

それを小澤さんに伝えようと電話しましたが、彼は電話にでませんでした。

30分ほどしてスマホが鳴りました。

【すまん。 電車の中だった。】

東北へ行くことを伝えると、とても残念がり、じゃオレはハワイへ静養に行くことにする、と言いました。 帰国の日程まで教えてくれたのに、その後は会う機会がなく、時は流れていきました。

今から思えば、あの時、東北公演を1ヵ所やめればよかったです。

最後に電話で話したのは、5年前。

小生のデビュー60周年記念コンサートに小澤俊夫さんが来てくれました。 征爾さんのお兄さんです。 来道中で、旭川で2回あった講演を、1回キャンセルして聴きに来てくれたのです。

終演後、2人は飲みながら征爾さんに電話しました。 彼は入院していました。 

【明日退院だ。 オレもそっちに行きてぇな。】 それが最後の言葉になりました。

最近になって小澤さんが夢に出てくるので、気になっていました。

神戸港から貨物船で音楽武者修行の旅に出た若者。 

『埠頭で見送りに立っていたのは、たった3人・・・ 明石にいる友人とその母上、それに兄貴だけ・・・。』 

『貨物船なので、よその見送り人もいない。 まことに、静かな旅立ちだった。』
(彼の著書、ボクの音楽武者修行より)

その若者が、世界の頂点に立つ大指揮者になるとは誰が想像しただろう。

小澤さん、ありがとう。 オレみたいな不器用で音楽の才能がない奴を、一人前のチェロ弾きとして認めてくれた。 思い出がたくさんありすぎて寂しくてたまらん。

もう少ししたらオレもそっちへ行くよ。 久しぶりにゆっくりワインでも飲もうや。

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は501回を数え、震災後、東北には22回訪れ、被災地でのコンサートは111回に及ぶ。
(2024年3月現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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