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デビュー60周年記念コンサート 3 <何を弾いても難しい>

デビュー60周年記念コンサートでは、60年間の演奏活動を振り返り、思い出の曲を集めて弾きました。 コンサートの冒頭で弾いたのは 「ヴェラチーニのラルゴ」

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この曲は小生のソロアルバム 第2作、 「チェロの旅」 の3曲目に収録されていますが、このCDは、小生が1997年1月に札幌交響楽団を退団した8ヵ月後の、9月10日と11日に東京都三鷹市芸術文化センター 「風のホール」 で録音したものです。

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60周年記念コンサートで演奏するために、この曲を鳥居はゆきさんと初めてリハーサルを行なったのは今年の3月10日、場所は北海道有珠郡壮瞥町 壮瞥地域交流センター 「山美湖ホール」でした。

鳥居さんは小生のCDを繰り返し繰り返し、何度も何度も聴いて勉強したそうですが、22年も前の録音ですから、現在の小生の演奏は変わっていて、この日、初めて合わせた時、二人の演奏はうまくいきませんでした。

それ以後、2人は機会があるごとに合わせ、十数回は合わせたでしょうか・・少しずつ息が合うようになっていきました。

2曲目に弾いたコダイのアダージョは、暗いけれど哀愁が漂う美しい音楽。 小生、好きな曲のひとつですが、でも難しかったです。 

こちら、初めて合わせたのは本番1週間前の10月20日。 7年ぶりに取り上げ、自宅では練習に練習を重ねてきましたが、いざピアノと合わせてみると、鳥居さんは充分に勉強のあとが見え、きれいに弾いていましたが、小生はというと、ピアノの間奏のあと自分のパートを見失ってしまうなど全然ダメでした。

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あと1週間しかない! 焦る心を落ち着かせ、どうしたらよいかを冷静に考えました。

つづく。

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は486回を数え、震災後、東北には19回訪れ、被災地でのコンサートは101回に及ぶ。
(2023年4月末現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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