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デビュー60周年記念コンサート 4 <次々出てくる問題点>

10月27日に行なわれたデビュー60周年記念コンサート。 2曲目に弾いたコダイのアダージョを、鳥居はゆきさんのピアノと最初に合わせたのは、本番1週間前の10月20日でした。

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リハーサル結果は、とても納得がいくものではありませんでした。

リハーサルはあと2回。 チャンスはある。 焦る心を落ち着かせ、もう一度初心に帰って自分のパートをしっかりやり直そう、と思いました。

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チェロのパート要所要所に、ピアノパートを書き込み頭の中でも練習をしました。
次のリハーサルは23日、本番4日前。 はっちゃん (鳥居はゆきさん)の店、Lakuraへ16:00に行きました。

しかし、コダイも第2部で弾くブルッフのコルニドライも、いくらか増しになった程度で納得できるものではありませんでした。

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身体も心も指も疲れていました。

《じいたん、おいしいクラフトビールが冷えてるよ。 お刺身もいいのがあるから気分転換しましょ。 じいたんが好きな白ワインも冷やしてあるよ。》

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ピアニストはっちゃんは、一瞬にしてカフェレストランの店主に変身しました。

うまく弾くことができず、硬直した頭脳を柔らかくほぐして、よいアイディアが生まれるようにするには、うまい酒と、うまい肴が絶対必需品です。

くよくよ考えても意味がない。 一旦チェロのことは忘れて飲もう! 酔っぱらって一晩寝れば何かが変わるだろう。

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クラフトビールを3杯飲み、お次は白ワイン。 いいあんばいに酔い、はっちゃんとおしゃべりをしていると、モヤモヤした不快な気分はなくなりました。

翌日も16:00にLakuraへ行きました。 またもや不満が残るリハーサルでした。 諦めずにもっと頑張ればよいのですが、この日も82歳のチェロ弾きは疲労がたまり、チェロを弾く体力も、練習に集中する頭脳の働きも限界でした。

限界まで頑張ってもダメなのだから仕方がない。 本番まであと3日。 予定されていたリハーサルはこの日でおわり。 帰りのタクシーの中であれこれ考えました。

コンサートは27日。 この日は24日。 25日か26日のどちらかにもう1度合わせることができないだろうか。 はっちゃんの都合はどうだろう。 彼女にメールを送ってみよう。

つづく。  

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プロフィール

土田英順

Author:土田英順
土田英順【つちだ えいじゅん】
音楽家・チェリスト。
日本フィル、新日本フィル、札幌交響楽団の首席チェロ奏者を歴任。
ボストン交響楽団およびボストンポップスでも演奏(1969〜1970)。現在ソリストとして活躍中。
全国各地、19都道府県での「東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート」は486回を数え、震災後、東北には19回訪れ、被災地でのコンサートは101回に及ぶ。
(2023年4月末現在)
被災地に滞在中、大津波の犠牲となった女性のチェロに出会い、持ち主のご遺族と友人たちの思いによってボロボロになったチェロを譲り受け、蘇らせた。
チェロの音色が天国に届く事を願いながら、今日(こんにち)も被災したチェロを奏でる。
2014年12月「第17回まちかどのフィランソロピスト賞(社会貢献)」受賞。
2015年10月「札幌芸術賞」受賞。
被災したチェロを使って録音した CD「祈り」発売。
音楽人生をまとめた著書「チェロ弾き英順 音楽の人生(たび)」出版。
第6回 全国新聞社出版協議会 ふるさと自費出版大賞において優秀賞受賞。
2017年11月 ソロプチミスト日本財団より「千嘉代子賞」受賞。
2019年10月 デビュー60周年記念チェロリサイタルを開催。
2022年4月 札幌ユネスコ協会初代広報大使に就任。

2012年12月「東日本大震災支援 じいたん子ども基金」開設。
基金は被災地の方々のために使われている。
【北洋銀行 札幌西支店 普通 5161660 口座名 東日本大震災支援 じいたん子ども基金 代表 土田英順】

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